はい、そうです。そのコートです。
2月に入ってから、そろそろスプリングコートだなって思ってこのコートを出してみた時、ショックを受けました。右の袖口が擦り切れていたからです。
まあ、考えてみると無理はないかもしれません。もともと生地がナイロンでペラペラに薄い上に、もう20年以上は着ているわけですからねえ。むしろこれまで事故もなくよく生きてきたと思います。
少女には読めぬ寺の名春の風 飯田龍太
で、私は探しました。このコートと同じようなものを。デパートやアウトレットで。
でもなかったんです。「いやー、こういうコートは着ないねー」「それは夏コートだねえ」「もう少しすれば入荷するかもしれないけど何とも言えないねえ」なんて言われました。
そして、その時に私はようやく気がつきました。韓国ではこれまで極薄のコートを着ている人を見たことがありません。そう、そもそも極薄のスプリングコートという商品は韓国に存在しなかったのです。(「丈が短く色が明るくて春っぽい」というものは有り。)
春昼を億の時計が刻むなり 江里昭彦
さあ、ではどうすればよいのか。
色々な方法が考えられるんでしょうが、代表的な方法としては「このコートの袖のところに何かをつけて誤魔化す(直し)」「同じようなコートを作る」があるでしょう。
結局、直しを試みることにしました。
直しも近所の店では断られたりして、付き合いのない洋服の仕立て屋に頼むことになりました。実物を見せたらすぐ事情を理解してくれて、似た系統の生地を見つけて袖口を作り直してくれる由。期間は3〜4日、料金は2万ウォンってことでした。生地代を入れて2万ウォンですから決して高くはないですね。
春めきてものの果てなる空の色 飯田蛇笏
仕上がりはイマイチでした。
参考までに書きますと、「韓国で服を仕立てよう!(誂えよう!)」のような記事が日本のガイドブックによく出ています。代表的なものとして、ワイシャツ、スーツ、革ジャン、靴などがあるでしょうか。
[2007-03]