やあ君たち!
1ヶ月ぐらい前だったか、日本人のをぢがするするっと近づいて来て「杉山さんさぁ、韓国には推理小説がないの?」と言うわけさ。
結論から言ってしまうと、韓国には真に推理小説やミステリーと呼べるものはほとんどない。なぜそうなのかは分からないけど。
韓国語の勉強を始めて1年近く経ったころ、ボクはミステリーを読んで韓国語の勉強をしようとしたことがあった。ほら、中級ではとにかく沢山の文を読むことが大切だと言うだろ? そのためにはミステリーだと語彙的にはそれほど難しい表現は使っていないはずで、なおかつストーリーは面白そうだから、外国語の勉強の読み物としてはピッタリだと思ったわけさ。
ところがだよ。その時読んだのは金聖鐘という作家の推理小説だったんだけど、いやー、これは余りにアレすぎだった。仕掛けとかトリックとかが何もないんだもの。かと言って読んでてハラハラドキドキするタイプのものでもなかった。
誤解のないように言っておくと、この作家が特に駄目ってことじゃないはず。金聖鐘は韓国推理作家協会の会長(多分)だし、彼の作品「黎明の瞳」はMBCでドラマ化されてヒットしたわけだしさ。
これはつまり、なんて言うのかな、韓国人は一定の枷(ルール)をかけられて何かをする、何かを作り上げるってことが苦手ってことなんだろうな。
普通に「小説を書いて下さい」だとそれなりに書けるけど、「小説。必ず最後の部分で犯人が明らかになること。できればどんでん返しで。筆者自身が犯人ってのは駄目。もちろん夢オチ(全部夢でした)は言語道断」みたいに言われると「うるせー! なんでそんなにまでして書く必要があるんだよ!」って気持ちになるとか…。ま、気持ちは分かるんだけどね。小説としての流れも考えて、トリックも矛盾がないように、なんてやってられないよね。
参考までに、外国のミステリーは翻訳でそれなりに紹介されてる。日本のものに限って言うと、東野圭吾の「容疑者Xの献身」も翻訳されているし、宮部みゆき「模倣犯」も本屋に並んでいる。個人的には「模倣犯」のような「長すぎ本」を翻訳する時間があったら他の日本の本をどんどん世界に紹介していって欲しいと思うけどね。
[2007-01]