やあ、君たち!
このまえ東京から帰って来る時にボクが乗って来たのは「成田発20時30分」のアシアナ航空ソウル便だった。成田を飛び立つのが午後8時半、ソウル到着はなんと夜の11時を予定。時間帯が遅すぎるよね。
これまでよく利用したことがあるのは午後7時成田発のNWだった。これは午後9時にソウル到着なんだけど、なんだかんだで税関を出るのが10時近くになったりして、バスがなくなるんじゃないかと不安になったりしたものさ。
それで今回なんだけど、ソウルの旅行社でチケットを買う時ボクは職員に確認してみた。
「夜11時にインチョン到着で、ソウルに来るバスはあるんですか」
「この飛行機のために江北、江南地区にそれぞれ1台づつバスが出ますよ」
ま、ウチの近くまで来なくても、ソウル駅ないし市庁前まで来てくれればそこからタクシーでいいな、と考えた。
さて。当日のフライトはオンタイムで、11時ちょっと過ぎには入国審査も終え税関もスルリと抜けたボクがいた。ってここまではいいんだけど、空港ビルの外に出たらバス関係が動いている気配がない。旅行社のおばちゃんよ、話しが違うじゃないの…。
そこへ不精ひげの兄ちゃんが寄って来て「お客さん、どこまでですか」「バスはもうありませんよ。タクシーに乗りましょう」などと言う。
空港ビルの中の案内所に行ったら既に誰もいず、また外に出ていつものバス乗り場の近くに行くと「シンチョン・トンデムン」とハングルで書かれたバスが停まっていた。
「あ、バスがいるじゃないですか」
「お客さん、そのバスは貸切バスです。乗れないバスですよ」
近くにこのバスの運転手のような人がいたので訊いてみる。
「このバスは誰でも乗れるんですか」
「乗れますよ」
「シンチョンまで幾らですか」
「それはちょっと言えません」
うわあ。なんか怪しげ。
怪しげなんだけど、とにかく家に帰らなきゃいけないし、タクシーは馬鹿馬鹿しいしってことで、このバスに乗ることにする。バスの先客は5人ぐらいだった。
なんだけど、バスが走り始めて5分後ぐらいに運転手の携帯に掛かってきた電話のやりとりを聞くと、運転手の人の良さが伝わってくる。どう考えても仮説1、仮説2ではなさそうだ。
途中で乗客全員が「お疲れ様です」と言って降りて行った。残ったのは運転手とボクだけ。運転手に訊ねてみよう。
「お金は幾ら払えばいいんですか」
「お金はいいですよ」
「これは何のバスですか」
「これは旅行社のバスです。さっき降りた人たちはみんな中国から帰って来た韓国人なんだけど、それを出迎えるために旅行社が準備したのがこのバスですよ。お金はもう貰ってるからお客さんはお金を出さなくてもいいんです」
ガイドブックにはよく「韓国の空港では悪徳タクシーに気をつけましょう」「ボラれないように注意」なんて書かれているけど、これらのテクストはあまりに防御に徹しすぎていないだろうかと思った。かと言って、「無料路線を狙っていけ!」という作戦が正解ってわけでもないんだろうけどね。
[2005-06]