三星電子の読み方は正しくは「サムスンでんし」ですが、みんなが「サムソン、サムソン」と言うらしくて、「サムソン」で検索しても三星電子のページが出てくるようになっています。
そもそも韓国語の「seo」の音は日本語では「ソ」をあてるのが普通です。もし「seo」に「ス」をあてるのだとしたら、「ソウル」ではなくて「スウル」になってしまうし、「ソン・ドンヨル(宣銅烈)」は「スン・ドンヨル」になってしまう。
また、横山光輝の「鉄のサムソン」という作品があって、日本人の頭の中にはすでに「サムソン」という言葉が存在していた。
そのため、いくら自分が「サムスンです」と言い張っても皆に「サムソン電子」と呼ばれるようになるのは見え見えだったはずなのに、なぜ「サムソン」ではなく「サムスン」にしたのでしょうか?
それはもしかすると、三星の人たちが「サムソンビデオ」の存在を知っていて、このビデオの制作会社だと思われるのを嫌ったから?
でも、そもそも「サムソン」というプラスイメージの言葉があって、そこから「鉄のサムソン」が作られ、「サムソンビデオ」が出来たんですよね? これを考えると、「サムソン」にしておくのが正解だったはずです。
(ちなみに、三星の役員が「韓国人の発音を日本人に書き取ってもらったら《サムスン》と書いた人が多かったのさ」と言うと思いますが、そんなデータは参考資料にしかなりません。)
さて、今回の話はこのカタカナ表記のことではなく、SAMSUNGという表記についてです。最近ウチの近くに「三星デジタルセンター」が出来たのですが、そこには大きく「SAMSUNG Digital Center」と書かれている。
これを見た時に、「Samsung」か「samsung」にすべきだろ、と思いました。単語全部を大文字で書くと非常に圧迫感があります。もちろん、フォントや字間スペースなどにもよって印象は異なりますが。
この「大文字圧迫説」は私個人の意見ではありません。アメリカ辺りの会社に勤めていた人に「圧迫感?」と聞けば「常識だよ!」と答えることでしょう。
1991年に開局したSBS(ソウル放送)。今でこそSBSと書かれていますが、開局当初、SBSは名刺などで「sbs」という書き方をしていました。真ん中の「b」が数字の6に見える(ソウル放送=6チャンネル)のがミソだったのですが、この小文字推進派の役員が「時代の流れは小文字だ」と感じていたってことだと思います。
しかし、「SBS」は「Seoul Broadcasting System」の略語でもともと「エスビーエス」と読むものだったので、小文字表記は無理があったらしくて結局ソウル放送自身も「SBS」と表記するようになりました。
音声ブラウザでは、大文字が並んでいる場合はアルファベットを読み上げ(例:IT=アイティー)、そうでない場合は普通の単語として読み上げ(例:it=イット)たりするものがあるかもしれません。その点からも、「SAMSUNG」は避けるべきで「Samsung」か「samsung」にしておきなさいってことになる。
まあしかし、この「圧迫感」は三星の狙いなのかもって気がしないわけでもありません。圧迫感というより、季節柄「暑苦しい」という印象なのですが。
- サムソン [Samson]
- 旧約聖書に登場する士師の一人で、古代イスラエルの英雄。
三省堂提供「大辞林 第二版」より
[2004-06]