やあ、君たち!
十日ぐらい前のことだったんだけど、ある韓国人をぢがボクに向かって言うわけさ。
「オレは専攻がアラビア語で日本語の会話は出来ない。でも読むことは出来るんだ」
と言いつつ、
「ミシマユキオの『ブシドオワ…』ってのはどういう意味なんだ?」
と。
ボクが
「大体、『武士は死ぬことだということを発見した、悟った』という意味ですよ」
と言ったところ、
「そうだよな。オレは剣道やってたから分かるんだ」
と、何がどこまで分かっているのかイマイチ良く分からない受け答えをした。そして、
「日本じゃミシマユキオは右翼思想ってことで危険に思われているんだって?」
との質問。
「いやあ。そんなことはほとんどないですよ。もう死んだ人だし…。文学的には非常に評価が高いですよ」
と、まあ、こんな風な会話の流れだったんだけど、韓国にいる日本人はみんなこのようなレクチャーというかフォローというかをこなして生活しているんだろうか。
マジで疲れるよね。民間外交ここに極まれり、って感じかな。嘘を教えることも多いけどそれはピースだよ!ってことなのかな?
「ミシマユキオって言えばシオサイだよな。読んだか?」
「読みました。金閣寺も読みましたよ」
とボクはさりげなく話をまっとうな方に誘導しようとしたんだけど…。
「シオサイ(潮騒)は、金持ちの家の男と貧乏な家の娘のハナシだ。感動的なハナシだった」
と。
もしかして、このをぢは済州島出身でお母さんは海女さんだったのかもしれない。
そんなこんなで、このをぢのハナシはイマイチ・イマニだったんだけど、最後に言ったことは割と良かった。
「日本の作家っていうと、ムラカミハルキやムラカミリューなんだけど、本当に残念だ。ミシマユキオの本をもっと出版してもらいたい」
三島由紀夫の再来と言われた平野啓一郎の「日蝕」が韓国でも緊急(?)翻訳出版されていたことを見るに、「三島由紀夫は無視!」ってことでもないんだろうけれど。
ムラカミハルキの翻訳本を出版する会社は一冊出版するごとにミシマユキオの本も一冊出版しなければならない、という法律を作ったりするといいかもね。韓国人、法律を作るのが好きだし。
[2004-05]