「今日は隨分暖かですね」
「やあ、奧さん。暫くです」
「またホオムペエジの更新ですね。今度のテエマは何なんです?」
「今度のは<梨泰院(イテウォン)でのランチは如何にあるべきか>なんですけどね」
「あら、まあ」
「ぶつちやけ、奧さんは梨泰院に行かれた時の食事はどうなさつてゐます?」
「私は梨泰院で食事する事はあまりありません。大體、梨泰院の衣料店を適當に見て、其の後は別の地域に移動して食事するのが普通です。正直、梨泰院には<此れ>つて云ふレストランがないやうに思はざるを得ない、みたいな氣がするんですけど」
「さうなんですよね。亞米利加人相手のステエキハウスの樣なものもありますが、あまり旨いもんじやないですしね」
「で、梨泰院でのランチは一體どうあるべきなんです?」
「其れなんですよ、奧さん。
梨泰院は基地の街ですから、此處で韓國料理を求めるのは明らかに間違つてゐると思ひます。かと云つて、前述の通り、ステエキ類にも期待は出來ない。中華もイマイチだ。と云ふことで私の出した結論は…」
「結論は?」
「パキスタン料理です」
「まあ、さうですか。でも、以前にインド料理の項で印度料理の話しをしてゐましたよね。印度料理もパキスタン料理も殆ど同じ樣なものぢやないんですか?」
「奧さん。前囘と今囘はコンセプトが違ひます。前囘のはバイキング料理の話だつたし、印度料理をぶりぶり食べると云ふのがコンセプトでしたが、今囘は<ちよつとエスニツクが食べたいな>と思つた時に行くべき處です」
「其の店は美味しいんですか」
「そりやもう。はつきり云つて、奧さんは絶對泣くと思ふ。
まづ、旨い旨くない以前に、此の店はパキスタン人風の樣な客しかやつて來ないんで、隨分雰圍氣が出てゐます。英語もあまり話されてゐないで、殆どパキスタンの言葉の樣なものがやり取りされてゐる。其れと、店は綺麗なんだけど、レストランと云ふより食堂と云ふ方が良い位に、氣取つてないし値段も高くない」
「料理は幾らなんです?」
「とに角、騙されたと思つて<チキン・カラヒ>を頼んでみて下さい。ハアフサイズが@1萬ウオンです」
「チ禽・辛ヒ?」
「原語がChicken Karahiです。此の店の<チキン・カラヒ>は石燒ビビンバの樣な器に入つて出て來るんですよ」
「まあ。石燒ビビンバみたいに、パチパチ音を立て乍ら出て來るんですか。石燒ビビンバ、ラヴ!」
「さうでせう? 石燒ビビンバ好きの日本人が多いんで、今囘、此の<チキン・カラヒ>を紹介する事にしたんですよ」
「ありがたうございます」
「石燒ビビンバの器に入つて來ると云ふ時點で既に高ポイントなんですが、生姜の使はれ方が絶妙なんですわ」
[2004-01]