ソウル市庁の近くにわしがちょくちょく行く料理屋がある。(料理屋というより、韓国料理の食堂であるわけだが…)
どのくらいちょくちょく行くのかというと、わしがその店に行くと、お店の人は注文も聞かずに黙ってプルコギの材料をセットした鍋を持って来て、テーブルのコンロに火を点けて去って行く、という具合なのじゃ。
この店には、これまで20回ぐらい行っていると思うのだが、最初にプルコギばかり注文したので、4回目以降は現在のように「有無を言わさずプルコギ」のパターンになってしまっている。
さて、料理を勝手に持って来るのはよいとして。
牛肉、野菜、春雨、水の入った鍋を持って来て、火を点ける。そのうちぐつぐつと煮立つので、お客が火を止めて、手元にあるハサミを使って肉や春雨を切って適当に食うというのがこの店のシステムである。
これを読んだ人はきっと思うに違いない。
「なんと!
マジ?」
そう、理屈で言えば、確かにそうなのじゃ。だからこそ、韓国のしゃぶしゃぶ店で従業員が肉・野菜の盛られた皿を持って来ると、日本人が「後は自分たちでやるから!」と言って皿を奪い取るという光景が展開されていたわけじゃ。
韓国人従業員は肉・野菜を一度に入れてしまう。日本人は「しゃぶしゃぶ〜」「しゃぶしゃぶ♪〜」という感じで湯の中に肉を数秒間泳がせてから食べる。
まっこと、言語は食文化を規定するということなのだろうか。もし、「プルコギ」が韓国で「チョイナチョイナ」というような名前であったなら、肉だけは「チョイナチョイナ〜」に相当する時間だけ加熱していたかも知れない。
ただ、でも、しかし、わしは(2)の「高温になってから肉を入れると肉の旨味が溶け出してしまう」について思うのじゃ。「韓国人は旨味が流れ出てしまうことを悪いことだと思っていないんじゃないのか!?」と。
韓国人は
と思っているのかも知れないのだ。
そう、だから、つまり、出された物は液体・固体に関わらず全部口の中に入れておけ、というのがわしの結論なのじゃ。「なんとかを閉じ込めるだの閉じ込めないだのは、所詮どうでも良いこと」
料理関係の言葉で「アク」「旨味」にぴったりする韓国語がありません。不便です。
[2003-02]