このタイトルを見て、「え? 人間が犬の肉を食べる話し?」と考えたあなた。
あなたは正しい。
日本文学ではカンニバリズム(人が人肉を食うこと)というのは結構大きなテーマだと思うのですが、私の知る限り韓国はそうではない。日本人が大岡昇平の「野火」を読んでいる時、韓国人はみんなで犬肉を食べながら談論風発しているという構造があるわけですね。
先日、男7人で犬肉屋に行きました。
メンバーは、
という組み合わせでした。
この組み合わせを見て、「杉山さんはイヤイヤ男じゃないだろうか」と思ったあなた。
あなたは正しい。
私の場合、犬の肉は1回しか食べたことがなかったのですが、その時の肉がとんでもなく不味かったので、その時以来、犬肉大嫌い少年になっているのだ。もう一人のイヤイヤ男も同じ様なことを言っていた。
また、以前「他に旨いものは幾らでもあるのに何故わざわざ犬肉を食べなきゃいけないんだ!」と憤慨していた韓国人がいましたが、これに賛同する部分もあると思う。
で、今回行った犬肉屋なんですが。
夜7時という時間帯の割にはすいていました。
「昼食に来られるお客さんが多いんですよ。昼は満席です」と店の人。
そうか、韓国人はお昼ご飯に犬の肉を食べて、午後の仕事をばりばりこなすんだ。
「この店も出来てからだいぶ経つよ」と下痢男。「あとは、この近くじゃ、<ライラック>とか<ヒャンナム(ヒャンモク)>が有名だな」
いやん。犬肉屋の名前などは憶えたくないのに、ついつい憶えてしまう杉山君。これを読んでいる人もついつい<ライラック>という名前を憶えてしまって、瑞草洞の交番に行っては「すみません。この辺に<ライラック>という店はありますか」と訊いちゃうんじゃないだろうかと心配です。
この日、注文したのは、首回りの肉とカルビ。これは茹でたものが皿に盛られて出てきます。これでお酒を飲んで、最後に犬鍋でご飯を食べる、という具合。うーむ。これが牛肉だったらシアワセなのだが…。
茹で肉はウンチク男が食べるのを見て、<大丈夫そうだな>と思ったら続いて食べることにします。ニオイがきついのでニラを一緒にして食べる。
…って、あら不思議。全然くさくないではないの。肉単独でも食べられる。
「くさいのは下手な店なんだよ。上手な店はくさくない」とウンチク男。
「食べられるけど、旨いとも思わない。正直、牛肉の方が旨い」とイヤイヤ男。
そうだ! イヤイヤ男、よく言ったぞ。
大体、何? 犬肉って言えば、ニオイを消すことしか考えない。ある物のニオイが耐えられないものであれば、それはきっと、神様が「食っちゃいけない」と言っているんだと思う。それに、犬の立場からしても、殺された上に「ニオイ消し!ニオイ消し!」とか言われてたら浮かばれないでしょう。
犬鍋も、サービスで出て来た犬肉スープも、全く抵抗のない味でした。高級ってのはこういうこと?
「これでいいのか!?」と思ったあなた。
あなたは多分正しい。
私が初めて食べた犬鍋はとんでもなく不味いものでしたが、体が異常に熱くなって発情期の犬のようになりました。今回の「抵抗なく食べることが出来る犬肉」には、その現象がなかった。
ウンチク男が「女性は美容のために犬肉を食べる」と言っていました。こうして みると、犬は機能性食品であるべきで、味よりも優先させるべきものがあると思うのですが…。
[2003-02]