【これまでのあらすじ】
ソウル在住の杉山課長は、ある日江南にあるカルビ屋でH社の金課長と食事を共にした。その時、店のウェイトレスがアンナミラーズと真逆の路線で、ユニホームといい顔といいひどく田舎っぽかったため、「この店はなぜこうなんですか? わざとこうしてる?」と金課長に訊ねた。すると金課長は、人差し指を折り曲げながら「杉山さん、私はこの店の女の子と遊びに行ったら、途中でこうなっちゃいます(中折れしちゃいます)」と告白をした。これを聞いて杉山課長は、「そりゃ確かにそうかもしれないけれど、普通、ウェイトレスのファッションがダサイという事から話しをここまで一気に発展させるかぁ」と思った。
その一週間後、杉山課長は金課長を会社に訪ねた。日本の新幹線通勤の話しになった。
杉山は続けた。
「ですから、新幹線で通える距離なら、新幹線で通った方がいいわけですよ。東京に部屋を借りて住んでいてもどうせ週末には新幹線に乗って家に帰るわけだし、新幹線通勤は酒を飲む機会も少なくなって健康にもいいと思います」
すると、金が力強く言う。
「そう、単身赴任は絶対良くないですよ」
「あれ…。そうですか? 単身赴任自体は、その時は色々大変だけど後になってみるといい思い出になったりするとも聞いてますけど?」
「私も3年間単身赴任をしていたんですけどね。杉山さんも知っての通り、ウリナラ(我が国)の夫婦は一つの蒲団で寝るじゃないですか。単身赴任して最初は寝る時に寂しいんですけど、1ヶ月ぐらいするとそれに慣れてしまうんです。そして、その後、単身赴任が終ってまた一緒に寝るようになると、女房がうっとうしくなる。女房がどうって言うより、一人で寝るのがとにかくラクなんです」
「ほぉ」
「それで、背を向けて寝たりすると、もう大変なことになりますよ」
こう言って金は首を締める真似をして見せた。
[2003-02]