「はい、こちら中継車はソウル市内のビデオレンタルショップに来ていま〜す。ごらん下さい。お店の入り口に新着ビデオ1,000ウォン、その他ビデオは500ウォンという紙が貼ってあります。いかにもビデオショップです。店内に入ってみましょうね。
わあ、すごおい。さすがにビデオだらけですね。エロビデオも堂々と置いてありますね。
店長さんにお話を伺ってみます。
こんにちは〜」
「こんにちは」
「日本人と韓国人というテーマで色々な方からお話を伺っているんですが、こちらのお店には日本人のお客さんもいらっしゃいますか」
「いらっしゃいますよ」
「そうですか。
日本人のお客さんと韓国人のお客さんと比べてどうですか」
「そうですね。借りて行かれるビデオの種類はそれほど違いがないんですけど、一番大きな違いはアレですね」
「アレ、と言いますと?」
「日本人のお客さんから戻って来たテープは巻き戻しされてるんですけどね、韓国人のお客さんのテープはほとんど巻き戻しされてないんです」
「はあ。それはいつもそうなんですか。つまり、日本人のお客さんのテープはいつも巻き戻されているということでしょうか」
「大体そうですね。日本人の方がお借りになったテープは80%ぐらいは巻き戻された状態で返ってきます。韓国人のお客様の場合ほとんどがそのままの状態、つまり、巻き戻されていない状態ですよね」
「そうですか。やっぱり、巻き戻されて返って来ると嬉しいですよね」
「いや、別にそんなことはありません。最初の頃は、<なぜわざわざ巻き戻して返すんだろう>って、不思議に思っていました。最近は巻き戻しの返却にも慣れましたけど、巻き戻しされててもされてなくても、正直大した違いはありません」
「そうですか。
では、次の中継車、お願いしま〜す」
「はい。こちらは○○大学の近くに来ています。先ほどからずっと掃除を続けている方がいます。ちょっとお話しを聞いてみます。
こんにちは」
「はい」
「留学生の方ですか」
「はい」
「掃除をなさってるんですよね」
「もー、勘弁して下さいよ。
日本だと、引越しする時に、自分の住んでいた所を掃除して引越しするじゃないですか。でも、韓国人は、自分の住んでいた所は掃除しないで引っ越すんです。掃除はその家に引っ越して来る人がすればいいと思ってる」
「はあ」
「結局、日本人がソウルで引越しをする場合、住んでいた所と新しく住む所の2ヶ所を掃除しなければならないんです。これって、マジ、半端じゃないですよ」
「住んでいた所の掃除をしなければいいじゃないですか」
「えぇ? 日本人はそんな事出来ませんよ〜」
「えぇ? 出来ませんか? そうですか。
次の中継地点は中華料理の出前です。どうぞ」
「何言ってんですか! 押してるんだから仕方ないでしょ! スタンバってて下さいよ!
あ、はい。こちらはソウルのオフィス街に来ています。エレベータの近くに、ご覧のように出前の食器が置かれています。
あ、ちょうど出前ビジネスの方が食器の回収にいらしたようです。
すみません。ちょっといいですか」
「…はい」
「このビルには日本の会社、韓国の会社が入っているんですけど、日本人・韓国人で出前の注文の仕方に違いはありますか」
「…日本人が出前の注文をした時は食べ終わった後、食器をざっと洗ってある。韓国人が注文した時の食器は洗ってない」
「そうですか! やっぱりざっと洗ってあると嬉しいですよね」
「いや。どうせ洗わなければなら」
「スタジオ、どうぞ!」
「レポーターの皆さん、ご苦労さまでした。
ということで、先生、この辺りの意識の違いと言うんでしょうか、文化の違いと言うんでしょうか、日韓でかなりの隔たりがあるように思えるんですが、どういう風に解釈をすればいいんでしょうか」
「はい。
これは韓国人の<あとのと思想>を反映したものですね」
「<あとのと思想>と言いますと?」
「<あとは野となれ山となれ>という思想です」
[2002-09]