「ご精が出ますね」
「あゝ、奥さん。いつも済みません。夕方になると随分涼しくなりますね」
「ホオムペエジの更新ですか。あんまり根をつめると体を壊しますよ」
「いやなに。更新つて言つても毎週金曜日に文を一寸書くだけですから実に気楽なもんです」
「さうですか。それなら好いんですけど」
「あゝ、さうだ。丁度よかつた。奥さんにひとつお伺ひしますが、奥さんは8・2の法則と言ふのをご存知ですか」
「8・2の法則ですか。さあ、何でしたつけ」
「8・2の法則はですね、例へば此処に一軒の飯屋があるとします。その飯屋にはメニウが百あるのですが、八割のお客さんが注文するメニウは常に百あるメニウのうちの二割に集中する、といふのが8・2の法則なんです」
「(膝ぱつちん!) 思ひ出しました。昔講談社のブルウバツクスで読んだやうな気がします」
「いやあ、流石奥さんだ」
「メニウが五十の時は八割のお客さんが二割のメニウ、つまり十のメニウの中から選ぶことになる訳ですね」
「さうです。この8・2の法則は極めて単簡な法則で、山本俊英君(学習院大学2年=当時)が発見したものなんですよ」
「おや、さうでしたか。学習院大学の山本君が発見したのは別の法則のやうな気がするんですが」
「奥さん。今回この8・2の法則を使つて韓国を分析することが出来ないかと思つている訳なんですが、どう思われますか」
「中々面白さうですね。おやりになつたらいかがです」
「奥さんがこの8・2の法則を韓国に適用する場合、どんな事例を挙げますか」
「さうですね。この夏も韓国に雨が沢山降つたんですが、<韓国に降る雨のうちの八割は韓国の二割の地域に降る>なんてことを思ひますけど」
「成程。雨の一粒一粒を人間だと考へるとまさに8・2の法則の適用例ですね」
「ホストクラブに行くとホストの写真が載つたアルバムを手渡されてその中からホストを指名することになるんですけど、八割のお客が指名するのは二割のホストに集中して、残りのホストはヘルプにつくかお茶を挽くことになるといふ…」
「韓国の場合、ホスト指名のシステムが確立されてゐますよね。アルバムの写真が結構大胆だつたり」
「あ、さうさう。昨日デパアトのトイレで雲古をしてゐる時にふと思つたんですけれど、私の場合、デパアトのトイレでは水を三回流すんです。一回目は雲古を始める前、二回目は雲古をあらかた出し終つた時、三回目は立ちあがる時。それで、私が便座に五分間座つてゐるとして、最初の一分間つまり二割の時間に雲古の八割が出るといふことに気がつきました」
「奥さん。それは凄いや。韓国がどうと言ふより全世界的な発見かも知れませんよ」
[2002-08]