「杉山さん、ハワイに行った時の航空料金がいくらだって言いましたっけ?」
「52万ウォン」
「52万ウォンは安いですよねえ。ソウル、東京の往復料金でも45万ウォンぐらいですよ」
「あ、そういえばそうかもしれませんね。52万ウォンは安いんだ」
私が乗って行ったソウル発ホノルル行きの便は成田で乗り換えるUA(ユナイティド)です。成田空港で3時間ぐらい待たされる。成田空港で7時間待たされるNW(ノースワースト)は51万ウォン、ソウル→ホノルル直行のKE(大韓航空)は60万ウォンとのことでした。
ホノルル行きのKEって、ムンムン発情した新婚旅行客ばかり乗っていそうな気がする。もっとも、最近の韓国人の海外新婚旅行先はセブ島あたりが人気があるそうですが…。
ちなみに、「どうせ東京でトランジットするんなら、東京に2泊ぐらいステイして色々用足しをして帰って来ればいいんじゃないの?」とは誰もが思うことですよね? その場合はチケットが10万ウォン高くなる(62万ウォン)とのことでした。
「ハワイはね、韓国人にとっては特別な所なんですよ。天国みたいところ」
「日本も昔はそうでしたよ。僕はハワイっていうと、トランジットで暑い空港の中を歩かされた記憶しかなかったんで、一回ちゃんと見てみたかったんです」
こう答えましたけど、考えてみると、韓国人にとってハワイは日本人にとってのそれよりもはるかに遠いものなのかもしれませんね。グァム、サイパンなどはあるにしても、ハワイは日本人にとってある種最もお手軽な海外旅行先であるわけだし、一方、真珠湾を攻撃したこともないしハワイの不動産の買占めをしたこともない韓国人はハワイとの関係が希薄である。
「ウチの妻が、杉山さんはハワイに行くなんてカッコいいって。それでウチでは、ハワイ旅行をするために今月から貯金をすることにしたんですよ」
奥さんがなぜ「カッコいい」発言をしたのかが難しいところですが、一つは私が休暇の旅行で、日本→ソウルとは逆のベクトルにあるハワイに飛んで行ったからだと思う。例えば、私が北京に旅行に行ったら、「ソウルに住んでいるという地の利を生かした当然の行為」というイメージがあるじゃないですか。ハワイ行きにはそのイメージがない。行為に意外性がありました。
そして、もう一つの理由は、私が本当にカッコいいということではなく、52万ウォンという金額を聞いて、奥さんの頭の中でハワイ旅行がにわかに現実味を帯びてしまったのだと思う。それで、ダンナを焚き付けるために、カッコいい発言をしたのである、と。
52万ウォンという金額は普通の韓国人には無理な金額じゃないはず。時期によってはもっと安くなることもあるでしょう。
もっとも、普通の韓国人は話しは簡単。むしろ、普通より少し上の韓国人の方が困っていることがある。ある小金持ちの韓国人(女)の場合、友達グループからハワイ旅行に誘われているのですが、その友達グループというのがみんな財閥の娘のような人たちで、飛行機に乗る時には何も考えずファーストクラスを予約する人たちなのです。友達がみんなファーストクラスに乗っていて自分だけエコノミーって…。 実に悩ましいではありませんか。
[2002-03]