このところ、私は疲れている。
それはなぜか。
「杉山さん、これお願いします」とか言ってフロッピーを渡されるのだが、このフロッピーのファイルがアレアハングルという韓国のワープロのファイルなのである。
私のコンピュータではアレアハングルのファイルは読めないので、近くのPC房に行って、HTMLファイルなり、テキストファイルなりに変換しなければならない。またはPC房で作業をしなければならない。
なぜ私はアレアハングルをインストールしていないのか。
サイズが100メガもあるからである。私の韓国語Windowsの方は空きがすでに100メガを切っている。日本語Windowsの方も韓国語Windowsの方も、空き容量を見るのが怖い日々を送っているのである。
「ああ、この種の書類だったら、自動翻訳をかけて修正を加えた方がいいな」と思って、ファイルを開いてみると、「出生地」「身長」などのリストのところが、項目の左右の幅を合わせるために
「出生地」「身_長」式にハングルで書いてある。
「チュルセンジ」「シン_ジャン」。
これを韓→日の自動翻訳に通すと、「出生地」「神_張」になってしまうのである。
「シンジャン」は一つの単語だと解釈してくれるが、「シン_ジャン」は二つの単語だと解釈する。
作業途中のものにワープロでデコレーションを施してはいけないのである。というより、そもそもワープロソフトを使う積極的な理由がみつからない。エディタなどで文字原稿を作成して、身内に見せるだけならそのままでいいし、パンフレットなどにするなら、あとはデザイナーに任せればよいのである。
また、MSワードは使いたくないソフトである。重い。イルカが出てきてこんにちは、をする。
今日も今日とて、道を歩いていたら、携帯が鳴る。「杉山さん。会社概要のメールをさっき送りました。よろしくお願いします」
「あ、そうですか。家に帰って確認します」
「アレアハングルの添付ファイルにして送りましたけど、大丈夫ですね」
「え〜! アレアハングル持ってません。原稿は英文じゃないんですか? 英文をそのままEメールで送って下さい」
そうなのだった。ワープロソフト好きとアタッチメントファイル好きは、同一人種のような気がする。すぐワープロ。すぐアタッチメント。ごく簡単なものでも、わざわざアタッチメントで送る。
エクセルのファイルを送って来た人もいた。私はエクセルは持っていなかったので、知り合いの日本人の家に行ってそのファイルを開いたのであった。(なお、後日判明したことだが、私はエクセルを持っていないのではなく、単にインストールしてないだけであった。)
日本人、韓国人がメールをやりとりする場合、メール本文の文字化けを恐れて、添付ファイルで送る人がいる。これは理解できないわけではない。しかし、英文までワープロの添付ファイルで送る人がいるところをみるに、もはや「アタッチメントにとりつかれている」レベルに達している。そう言えば、「私は文字化け防止のため、メールを画像にして送っています」という韓国人もいたのであった。
世の中の「ワープロ」「添付ファイル」。この蔓延を食い止める術はないものだろうか。
[2000-11]