韓国で古本屋めぐりをしたことがある人は、すでにお気づきのことと思います。
「春画がない!」
私は昔、文化財管理局だったか何だったかの某お役人に詰め寄ったことがありました。「韓国にも春画があるはずなのに、どうして古本屋にないんですか! ぶう!」
そのお役人、悲しい顔をして、「あることはあるんですが、全部収集家のところに行ってしまって、街には出回らないんですよ」
おーい、おいおい。こんなことって許されていいんでしょうか。
しかし韓国の場合、私の思うに、春画はとも角、枕絵のようなものは、もともと絶対数が少ないのではないでしょうか。
韓国に来る前に読んだ話しですが、日本だと、ホラ、娘が結婚する時、お母さんがタンスの底に枕絵(えっちな絵)をこっそり入れてあげてたとか言いますよね。一種の性教育のようなものでしょうか。
韓国の場合は、お母さんが娘にウンジャンド(銀粧刀)を持たせたそうです。このウンジャンドというのは何かというと、結婚した後、たとえば夫が長期出張期間中、誰かに誘惑されたりよこしまな考えが頭をもたげたりした時に、自分の太股を刺して正気に返るために使用するもの(ナイフ)です。また、過ちを犯してしまった時(今で言えば不倫してしまった時)、このウンジャンドで命を絶つ。
あれ、この説明で良かったのかな、ウンジャンド。ま、いずれにしても大筋は合っていると思います。
で、根本的には枕絵の国とウンジャンドの国ですから、韓国人が日本を見て「えっち文化の発達した国」と思ったりするのも、ある意味では無理はないのかも、ということを言いたかった私。
この認識、10年や20年では変わらないと思います。
なお、最近、『韓国の春画』という本が出版されたそうです。金弘道・申潤福・崔禹錫の作品が各10点づつ、女官+僧侶、妓女+両班、老夫婦などの組み合わせの絵があるそうですので、興味がある方はご覧下さい。出版社はANA、定価は45,000ウォンです。
[2000-05]