例えばの話。
東京にある蕎麦屋の昼下がり。おじさんが天ぬきかなんかで一杯やってます。かなり出来上がっているのかな。
そこに会社の制服を着たOL二人連れがやって来て、隣りのテーブルに座ります。注文する品は何でもよいのだけれど、例えば「冷やしきつね」「あ、私もそれにする」。
で、おじさん、チョットへろへろ〜んな目つきでOL二人を見やっていた後、二人に話し掛けます。
「お姉さんたち、○○商事の人?」「ええ、そうですけど」「そう、そりゃよかった。仕事忙しい?」「ええ、まあ」
お姉さん達は、まあ、軽く受け流す作戦らしい。
で、このおじさん、「じゃあ、またね」なんて言って先にお店を出ていきます。その後、OL二人が食事を終え、お金を払おうとすると、お店の人が「あ、お勘定は先ほどのお客さんから頂いていますから」と言う。
私はこの種のこと、よくあるパターンだと思っているのですが、韓国人にこういう話をすると、「そのおじさんは絶対変だ」「変な行動だ」と言う。
まあ、確かに、このおじさんの行動は説明が難しい。ナンパしているわけでもないし、冷やしきつね2杯の値段分のサービスを女性達から受けたわけでもない。
ウチの姉貴なんかは、若い頃一人で新幹線に乗って、隣りの席に座った男から車内販売のコーヒーをご馳走してもらったりしていたらしい。「次にお会いした時は食事をご馳走しますよ」なんて言われて。
あ、でも、これはナンパの一種なのかなぁ。ホラ、ウチって一応、美形一族だし。おじさんのナンパのテクニックって、手間暇かけるのが特徴だし?
この新幹線の話なら、韓国人にも理解してもらえるかも知れません。
一般的によく言われるハナシとして、「韓国人は知らない人には不親切で、親しくなるとしつこいぐらいに親切」ってのがありますが、知らない人との付き合い方については、かなりビミョーな部分があるのではないでしょうか。例えば、同じエレベーターに乗り合わせた人のジャケットの襟が変になっている時は指摘するかどうか、飛行機で隣りの席に座った人に「どちらまで?お仕事ですか?」などの声をかけるかどうか、子供をおぶっているお母さんに「(子供は)今何ヶ月ですか」と聞くかどうか、など。こういうのは韓国人の方が積極的なのかもしれない。
小雨が降っている時、ソウル市内を歩いていたら、ある男性が、「私らのような年になると、雨に濡れるのはよくない」と言って、傘をさしかけてくれたことがありました。
「知らない人に比較的不親切」というのは確かなんだろうけど、「知らない人と盛り上がることは出来る」のが韓国人なのかも知れません。または、社会のルールがなく、個人個人がやりたいようにやっているのかも知れない。次にソウル便に乗った時は、隣りの席の韓国人に声をかけて、その辺を色々さぐってみて下さい。
[2000-04]