つかこうへいの「熱海殺人事件」のお話です。演劇に興味がない人は、この項とばして下さい。
私が「熱海殺人事件」を初めて見たのは70年代の紀伊国屋ホールでの公演です。青山VANでの「ストリッパー物語」を見て、次がこの紀伊国屋ホールでした。出演は三浦洋一、平田満、加藤健一、井上加奈子。
良かった。当時、私の周辺では、この芝居がまさしく事件になっていました。知人の中にこの「熱海」を5回観に行ったヒトがいて、彼が録音したテープを6ミリに起こしてあとで何度も聴きました。録音テープを聴いて楽しめる演劇としては、当時ではつかこうへい、井上ひさしのものあたりだったと思います。
87年4月に紀伊国屋ホールで韓国人俳優が韓国語で上演した「アダミ」を観ました。んー。セリフはほとんど意味がわかりませんでした。他のお客さんはそれなりに韓国語がわかっているような反応をみせていましたが。
次に記録に残っているのは、88年4月にソウルの現代デパート劇場で観た「熱い海」です。この時は韓国語がほとんど聞き取れるようになっていた。アイちゃん役を、なんとかいうボクサーのお姉さんがしたのですが、良かったです。私が初めて恋した韓国人女性になるのかも。
次は一気に時代が下って、96年8月に福岡で観た「熱海殺人事件」になります。この頃になると、「熱海」は「モンテカルロ・イルージョン」とか「売春捜査官」とかわけのわかんないサブタイトルがついていて、私のものではなくなってしまいました。
どんなにいじくりまわしても「熱海」は「熱海」なんだし、下手にいじらないほうがいいと思いますが、そのへんどうなってるんでしょうか? 「熱海殺人事件」はすでに現代の古典になっているのだからして、これに手を入れる労力があるくらいなら、新作を開発した方がいいと思います。
それにしても、「熱海殺人事件」の上演現場によくもこう居合わせた私、立派としか言いようがないですね。
[1999-09]