私が市内の地図を広げて、説明を始めます。
「はい、皆さん、よく見て下さい。今、僕たちがいるのがここ、チャムシルです。6時半に出る船はこの近くを一周して、またここに戻って来ます。7時に出る船は、ここを出て、汝矣島(ヨイド)に行きます。コリアナホテルはここですから、汝矣島だと、かなり近くなります」
どちらの船も所要時間は1時間、料金は@7,000ウォンです。
「ここに戻って来たら、またタクシーか地下鉄でホテルの方に帰らなきゃいけないわけだろ?」
「同じ所を通るより、別の所で降りる方が面白いわよねえ」
ということで、待ち時間は1時間になりますが、汝矣島行きのフェリーに乗ることにします。
ここの船乗り場にあるレストランは洋食だけだそうなので、食事はパスして一階でお茶することにしました。さっき、パン屋でパンを少し食べたので、腹もそれほど空いていない。
折角だから、韓国のお茶を飲んでもらいたいと思ってメニューを見てみると、コーヒー、ミルク、コーラなどしかない。観光コースなのに、どうなってんだ! 「柚子茶(ユジャチャ)のようなものはないですか?」と店の人に聞くと「柚子茶はありますよ」とのこと。なんのこっちゃ! 客にはコーヒーを飲ませておいて、自分達は健康にいい柚子茶を隠れて飲んでいるのか?
全員、柚子茶がいいと言うので、柚子茶を六つ注文。
ここでの会話は、すでに旅行のエンディングに向かったものになっています。
まず、実習で持ち帰ったキムチの処理。
「今夜はホテルの暖房の温度を低くして寝た方がいいかもしれないね」「でも、キムチのために風邪ひいたらどうするの」
また、持って来たけど一度も着なかった服があってくやしい話。
「私はトックリのセーター持って来たのに一度も着なかった」「私は靴を持って来たのに、結局履かず仕舞い」
旅行のファッションは組み合わせが基本。スカーフやマフラーを上手に使うようにした方がよろしいようでして。
7時ちょうどに船は出発して、一路汝矣島へ。
チャムシルから汝矣島に行く船は、午後1時発、4時発、7時発の3便とのことですが、船内はガラガラでした。お客さんは私たちの他に20人ほど? みんな若いカップルです。密着度100。
日本人御一行は「きれい、きれい」と言いながら外を見ている。
どこかの都市を見物する時に、船から街を見上げるか、ヘリコプターや展望台から街を俯瞰するかを行程に組み入れるって、結構いいですよね。旅の印象が文字通り立体的になる。今回は夜の船旅でしたが、昼の漢江(ハンガン)川下りも捨て難い味があります。
車内では日本語のガイド放送もしていたのですが、聖水(ソンス)大橋の近くでは、94年に聖水大橋が落ちたことを紹介していたのでちょっとびっくりしました。
「あ、花火やってるぞ」
冬の花火?
花火に見えたのは、花火の形をしたネオンサインでした。
「んもう。あれが花火だったら花火師忙しくて大変よ」
花火のようなネオンサインがあって、63ビルが見えてきて、船は汝矣島の船着き場に到着します。
途中、甲板で記念写真を撮りました。月がきれいな夜。
船乗り場を上がった所の道でタクシーをつかまえようとしますが、タクシーが全然来ません。仕方がないので、バス乗り場の近くに移動し、バスが先に来たらバスに乗ることにしました。
次の目的地は麻浦の海鮮鍋のお店です。
[2000-11]