2000年頃に他所のサイトに書いた原稿です。
韓国のソウルには「ソウル俳句会」があり、会員40~50名ほどが在籍しています。
句集は現在まで5冊を発行。その句集の中から「韓国ならではの句」「韓国的な句」を選んでみました。今回は秋の句づくし。
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老躯折り一水を汲む秋暑かな山口嵩史
韓国では、山の湧き水を汲んできて自宅で飲み水にしている人が多いです。最近は市販のミネラルウォーターを飲むのが普通ですが、運動を兼ねて、特に年かさの多い人が山に行くようです。
廻廊を出でて陽のあり秋の声戸津真乎人
ソウルには昔の王宮が残されており、観光コース・市民の憩いの場となっています。この句も王宮を吟行した時のもの。
漢江を竜に変えむと秋の雨平松克己
毎年秋になると、漢江(ハンガン)の水量が増し大騒ぎします。一般に、韓国では雨が降る時は集中的に降り、止む時はパッと止みます。国民性と関係があるような・・・。
何事も無き国境の花野かな古谷彰宏
これはもちろん、北朝鮮との国境を詠んだもの。国境というのは、実際に見に行くと、結構イメージしていたものと違っていたりします。
舞ひやまず老爺老婆の秋寂びて山口禮子
韓国のじいさんばあさん、おじさんおばさんは踊るのが好き。数人集まっている所に音楽が鳴り出すと、直ちに踊り出す。元気です。
われに笑むとりうらなひや秋の暮韓汀舟
「鳥占い」とは、仕込んだ鳥にカードを持って来させて占いをするものです。韓国の占いの中でも珍しいものです。
秋空や目の飛び出でし石人像李恒寧
この「石人像」は「トルハルバン」と読みます。済州島のシンボルで、写真でご覧になった方も多いでしょう。秋の空気が澄んでいるイメージが伝わる句です。
太平路へ秋風抜ける光化門豊田康
植民地時代の残滓、総督府の建物が壊され、ソウル市のメインストリート太平路がスースーした感じになりました。久しぶりにソウルを訪れた人はチョットびっくりするかも。
懺悔する人みな女人秋の寺平松克己
これ、実は懺悔というより、子供の勉強がうまくいくように一生懸命祈ってるお母さんたちがほとんどです。もうちょっと子離れしたらどうか、とも思うのですが・・・。
残菊や韓の書院に山立てり神山洋
ソウルは街の近くに山が迫っていて、結構険しい山も多い。「山立てり」と言われてみて、なるほどです。