私は解雇された。ひと月前に既に言い渡されており、机は先週片づけられた。あらゆることが予告された手順であった。深まっていく秋より先に、深く深く。日増しに悪くなっていく景気のせいだった。会社はブランドネームをやや異国的な名前に替え、それに合ったイメージの服を生産する準備をしていた。ショートヘアに金属光沢のピンを挿した若者たちが、ミニスカートに膝まで隠すブーツを履き、大挙して会社に入場し、パーマのかけ過ぎでばさばさになった私たちは、反対のドアから出ていく他はなかった。キラリ光るアイデアと新鮮な感覚が命であるこの業界で、実際三十と言えば旧世代であり、私たちは既に嘱託デザイナーという奇妙な名前がついていたので、正確に言えば解雇ではなく嘱託解除であった。経理課に行き、ひと月に少し足りない日数が書かれた支払明細書を出した。商業高校を卒業したてのような長髪の少女が、私に支払う紙幣を封筒に入れ硬貨を数えていた。大学を卒業してすぐ入社したから、私は十年弱をこの会社で過ごした計算になり、その日々が少女の数える硬貨の音でチャリチャリと締めくくられていた。十年、その十年の間に、秋を告げるコートの織物が、ウールギャバからシルクに、シルクからラメ入りの布に変わり、私が最初にデザインした服についていた「シンド」という名前は今や「クティベ」という外国の名前に変えられていた。私は硬貨を数えている少女を出来るだけ淡々とした表情で眺めた。淡々とした表情、鏡も見ないのに私が意識していたのは、その時私の胸中をある痛みが通り過ぎたからだ。ことによると、いま私がこの少女に嫉妬しているかもしれない、という思いがよぎったのだ。それは、まだ一度もパーマをしたことがないような彼女の若い髪のためではなく、単純な仕事をする彼女の職業のためであった。
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■ コン・ジヨン(孔枝泳)
1963年ソウル生まれ。延世大学英文科卒。1988年にデビュー。1994年「コドゥンオ(鯖)」発表。